Designers voice |
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セヴランの語るSEVERIN SERGEというブランドの進む道と、セヴランというレザーアーティストについて
方向性
The way of my brand
SEVERIN SERGEというブランドの進む我が道
つくりたい作品をつくり、世界で一番高い品質を誇りたいだけだ。
ぼくはSEVERIN SERGEというブランドをスーパーブランドにしたいわけじゃない。どちらかと言えばスーパーメーカーにならなってもいい。それも厳密に言えばスーパークオリティプライベートメーカーという感じかな。ブランドではなくメーカー(-maker-作り手)、あくまで作り手でありたい。ぼくは有名人になりたいわけでも、有名ブランドをつくってお金持ちになりたいわけでもない。ブランドなどクソくらえ、量産などクソくらえ。どんな業界も有名になればなるほど品質はマァマァになっていく。たとえば自動車なら、業績ナンバーワンのメーカーはポルシェのように素晴らしい技術を持っているわけではないし、フェラーリのようにピニンファリーナによる美しいデザインと、官能的なエンジンが造れるわけでもない。これといった独自の技術力などもってないメーカーだ。電気製品だってそうだし、ぼくのつくっている皮革製品業界だってそうだ。日本で異常に売れているブランド物は、特に技術力が高いわけではないし、デザインが優れているわけでもない。知名度と、技術力・品質は相反してしまう。本当にいいモノをつくっているところは表には決して出てこない。
ぼくは、ぼくの世界観を表現したい。売れるモノをつくりたいわけじゃない。つくりたいモノをつくりたい。そして世界最高品質を目指したい。それだけだ。
ハンドメイドの世界ではプライベーターには稀にとんでもないレベルの人がいる。
それは利益を度外視し、徹底的に手間をかけ、ものをつくっているから。
SEVERIN SERGEはそのようにしてつくられた、セヴランという革工芸作家の作品をリリースし、販売していくためのブランドであって、利益は考えていない。完全にどんぶり勘定。どうしてそれで活動できるのか、それは作家のブランドへの多大な愛情による投資、つまり給料を全て注ぎ込んでいるわけだ。
大量生産品を販売するブランドではない。利益度外視の過剰品質な一点物の作品を超低価格で販売するバカメーカーだ。例えば、ベルトを一本制作したとしよう。ふつうはベルトを裁断し、バックルをつけ、ピン穴を開けてだいたい終了。しかしぼくは、裁断したベルトの切り口のコバを、『完璧なツルツルになるまで一日中磨く』という変態行為をする。完全なオーバークオリティ、本来はプライベーターだからできる過剰品質。そんなスーパークオリティな作品を制作していこうというオナニーメーカーをこれからも続けて行きたい。
ふつう、ブランドを立ち上げ年月を重ねるとともに利益重視になり、拡大していくものだけど、SEVERIN
SERGEは逆だった。むしろブランドをスタートさせた最初の頃は、まだスタッフも多く企業的に活動していた。年月を重ねるにつれ完ぺき主義度が高まり、異常なまでにクオリティを追求し、メディアから隠れ、変態になっていった。もっと良い作品をつくりたい。もっとハアハアできる最高の作品、完成したときに完璧に満足しエクスタシーを感じる作品をつくりたい。つまりぼくは、ぼくの世界を表現し、ぼくが完ぺきに満足できる作品をつくりたい。その自己満足というワガママ野郎のせいでこんなにも馬鹿げたオーバークオリティブランドになってしまった。
とにかく最高になりたい。とにかく最高の究極の作品を追求したいだけなんだ。とにかく世界で一番になりたい。『世界で一番有名なブランド』ではない。それと相反する『世界で一番技術力の高いメーカー』になりたい。最も高い技術で、最も面白いデザインの作品を提供できるブランドあり続けたい。つくりたいモノを創造していきたい。お金はどうでもいい。量産して利益を追求しブランドを拡大することは簡単だけど、それをやるには8割近くのやりたくない仕事をこなさなくてはいけないので、まったく面白くない。ぼくはぼくの世界で、つくりたいモノをつくり、最高の作品を追求していくほうが、ぼくのような変態にとっては単純に楽しいし、生きがいなのだ。 |
セヴラン
Severin
レザーアーティスト Leather artist |
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